こんなところに開成

Vol.1 スーツケースへの採用例からみるヘアライン技術

 

ここでは、「こんなところに開成」と題して、開成工業の技術が採用された事例の紹介や、新しい活用方法を提案していくコーナーです。

第一弾としては、ヘアライン技術のスーツケースへの採用事例です。

 

ヘアラインとは、言葉の通り髪の毛(ヘア)のように細かい線(ライン)を表現したデザイン柄のことです。アルミやステンレスなどの金属に使われることが多く、きっと皆さんの身の回りをよーく観察してみると、いたるところにヘアラインを発見することが出来るはずです。例えば、エレベーターのボタンパネルだったり、魔法瓶のポットだったり、表札だったりと、色々なところに使われているんです。これは、意匠用(デザイン)として使われることが多く、このヘアラインの有り無しで高級感の印象が違ってきます。その他、ヘアラインを付与することで、指紋やキズが目立ちにくい等の付帯効果を得ることもできます。

ただ、金属は高価であるということと、とにかく重たい&分厚いというデメリットもありました。このことから、プラスチックフィルムにヘアライン加工を施し、まるで金属の様にみせるプラスチックヘアラインの技術が誕生しました。

プラスチックフィルムにヘアラインを加工すると、なぜ良いのか?それは、

1. 軽い&薄い
2. 安い
3. 最終製品への加工がし易い
4. 用途範囲が広い
5. ごみ処理やリサイクルが簡単

などなど、プラスチックフィルムは、ヘアラインの高級感を維持しつつ多くの事を可能とさせてきました。

▲ゼロハリバートンに採用された ヘアライン柄のスーツケース

こうしてヘアライン柄の使用が金属以外にも注目され始めてから採用されたのが、スーツケースやアタッシュケースだったのです。特にスーツケースには軽さが求められるため、プラスチックでの成型には最適です。更に、世界を飛び回るカッコいいビジネスパーソンが所有しているスーツケースといったら、シルバー色でアルミ調のデザイン。このスーツケースがヘアライン柄であったなら、更に上質感を演出できると思いませんか?

 

まさに、「ヘアラインは最高品質のあかし」であり、開成工業のヘアライン製品は、これまで世界的に有名なゼロハリバートン社をはじめ、その他多くのスーツケースで採用され続けています。

▲クリアーPETフィルム(左)と、 ヘアライン加工後のPETフィルム(右)

最後にプラスチック製品の成型方法のお話です。ゼロハリバートン社に採用されたヘアライン柄は、IML(インモールドラミネーション)という成型工程の中で使われています。下記の工程フローでもわかるように、ヘアライン加工を施したPETフィルムにアルミを蒸着し、成型用にスーツケースのパーツ型にプレフォーミングしてから樹脂を流し入れて製造します。簡単に説明すると、スーツケースのパーツを形作る際に、一緒にヘアラインのデザインがされてあるフィルムを貼り合わるということです。

▲IML成型のプロセス

ゼロハリバートンのスーツケースを持つことにステータスを感じる方もいらっしゃるでしょう。そんな高級で高品質な製品に弊社の技術が使われていることに、誇りを感じます。

開成工業のヘアライン技術は、スーツケースだけはなく、パソコン、携帯電話、テレビなどの電化製品、冷蔵庫、自動車パーツ、キッチンなどなど、様々な分野で積極的に採用して頂いています。今後も、どんどん紹介していきたいと思いますので、お楽しみに。

 

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