表面加工技術の用語辞典

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 ら行 
あ行
IMD (インモールドデコレーション)

プラスチック射出成型の一種で金型で成形した樹脂の表面に、表面処理した形状を転写する加工方法です。開成工業のサンドマットフィルムやヘアラインフィルムはこういった加飾用途として、自動車の内装インパネ回り、PC・スマートフォン、冷蔵庫・エアコン等の家電、日用品等に多数採用されております。

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IML (インモールドラミネーション)

プラスチック射出成型の一種で金型で成形した樹脂の表面に、表面処理加工した各種フィルムを貼り合わせる加工方法です。開成工業のサンドマットフィルムやヘアラインフィルムはこういった加飾用途として、スーツケースをはじめ、自動車の内装インパネ回り、PC・スマートフォン、冷蔵庫・エアコン等の家電や日用品等に多数採用されております。

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オシュレーション

フィルムのゲージバンドや耳立ちを目立たなくさせるために、揺動させながら巻取ることです。開成工業では、面状検査の際、オシュレーション対応を行っております。

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か行
拡散光透過率

フィルムに透過した全光線のうち、拡散した光のみの透過率を示します。(全光線 = 拡散光線 + 平行光線)

屈曲シャーカット

スリット加工におけるシャーカット方式の加工方法です。
下刃とディスタンスピースで構成される下刃軸にウェブを深くラップさせる断裁方法です。
寸法安定度に優れたポピュラーな切り方です。

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ゲージバンド

フィルムの偏肉(厚みムラ)がロール状では同じ位置で巻かれ、巻き重なることにより凹凸が見える現象です。面状検査のオシュレーションにより改善が可能です。

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さ行
最大巻径

フィルムをロール状に巻いた時の直径の長さのことです(フィルムの厚さと長さ、コア芯の太さにより求められます)。

サンドマット

研磨材を被投射材に吹き付けて表面を処理する加工方法で、日本特有の技術として発展してきました。
開成工業では自然界に存在する管理された硅砂を使用し、各種プラスチックフィルムへのサンドマット加工を行うことでラベル用途や電子材料の工程用部材として使用されています。
吹き付けには、圧縮空気に混ぜて吹き付けたり、ローター回転のショットで投射したりする方法があります。
元は金属部品や筐体などの錆び取りに使用されていた技術であり、その他にも塗装剥がし、塗装の前処理、バリ取り、さらにガラス細工など工芸用途としても使用されてきました。フィルムへの展開は、トレーシングペーパーを破れない基材にするため耐水性付与が元々の目的であったようです。

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シャーカット(シアーカット)

スリット加工における加工方法です。シア(shear剪断)・シザー(scissorはさみ)が語源とされています。
レザーカットとは異なり、はさみで切るように上の刃と下の刃を使用した断裁方法で、スリッターでは丸刃と呼ばれます。
円盤状の刃物を利用します。はさみの切り込みが円盤状の上下刃の回転により無限に繰り返され、同一サイズで切り続けることが可能です。

シャーカットは、更に屈曲シャーカット・直線シャーカットに分類することが出来ます。

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スリット加工

ロール状のプラスチックフィルムを必要なサイズ幅(細幅)に断裁したり、フィルムの耳(両端)を切り落としたりする加工方法です。最終製品の加工用として必要な幅に切断するのが目的であり、一般工業用などに使用されています。開成工業では、シャーカット(屈曲・直線)およびレザーカットを採用しております。

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正反射方式

面状検査における検査方式のタイプです。フィルムに対して斜め方向から光をあて、反射側に同角度でカメラを設置することで、フィルム表面の凹凸部分が光によりコントラスト差(影)として映し出されます。これを、欠点として検出しています。
検出できる欠点は、表面の凹凸、突起異物(有色)、スジ(陰影ができるレベル)です。

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静摩擦係数

静止している物体を動かそうとする際に働く力のことです。

全光線透過率

フィルムに透過したすべての光を表し、透明性を示す指標です。

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た行
直線シャーカット

スリット加工におけるシャーカット方式の加工方法です。
下刃へのラップはほとんどない切り方です。
厚手のウェブのスリットに有効な方法です。

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転写

プラスチック上にサンドマットやヘアラインが施されたフィルムの表面形状を他の材料(樹脂など)にコピーすることです。意匠転写としてIMDや衣料用ワッペン等に使われています。開成工業のカイピールは、転写用途に適した製品です。

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透過方式

面状検査における検査方式のタイプです。透明や半透明のフィルムに光を透過させることにより、欠点箇所が光の遮断で黒点として検出される方式です。

検出できる欠点は、異物(有色・フィッシュアイ)、ピンホール(クリアーフィルムの場合は不可)、スジ(陰影ができるレベル)、汚れ(有色)となります。

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動摩擦係数

物体が動いている際に逆向きに働く力のことです。

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な行
ナーリング

スリット加工において、フィルムの両端に微細な凹凸を付ける加工のことをいいます。フィルム巻取り時の巻きズレ、巻きゆるみを防止したり、フィルム同士の接触を防ぐことでキズ、ブロッキングを防止することができます。

梨地

梨の表面のようにザラザラした状態のことです。
加工機のガイドロールにもロールの搬送時のシワ防止や蛇行防止として使用されます。プラスチック等の表面の処理にはサンドブラストやシボ(エンボス)加工で梨地が広く使われています。

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2段スリット方式

面状検査における加工方式のタイプです。光を特殊な構造で乱すことで、キズ・コートムラの欠点が検出される方式。透明・不透明なフィルムから、コートムラ・キズ等の欠点が検出できます。

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濡れ張力

フィルム表面への塗装、コーティング、粘着・接着などの処理をする際の密着力(保持力)を示す一つの尺度のことで、試薬を使用して測定でき、mN/mで表わされます。
表面のぬれやすさの程度は、固体表面上に付着した液体が成す角度=接触角θで表され、接触角が大きいとワックスをかけたばかりの車の様にぬれにくく、接触角が小さいと全くワックスをかけていない状態でぬれやすくなっています。

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は行
表面粗さ

表面粗さの代表的な指標としては、Ra、Rmax、Rz等があります。

  • Ra(中心線平均粗さ/算術平均粗さ)は、平均を測定する為、大きな凹凸が及ぼす影響は少なく、最もポピュラーな指標です。
  • Rmax(最大高さ)は、凹凸形状の最大と最小の凹凸の高低を測定する為、たとえ少数でも大きな凹凸の影響を受けやすいです。
  • Rz(十点平均高さ)は、最大5つと最小5つの凹凸の高さを平均して算出した表面粗さです。いづれも、単位はμm(ミクロンメートル)です。
ピンホール

フィルムに異物等があたり開いた穴のことです。面状検査の透過方式にて検出することが可能です。

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フィッシュアイ

魚の目のように見える樹脂粒やゲル状の微細異物のことです。面状検査の透過方式、乱反射方式にて検出することが可能です。

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ブロッキング

保管条件や経時においてフィルム同士が密着し、滑りにくくなったり、剥がれなくなることです。サンドマットフィルムや、ヘアラインフィルムでブロッキングの防止が可能です。

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ヘアライン

SUSの表面処理の1種で、髪の毛のよう細く平行に並んだ研磨スジのことです。「ヘアーライン」や「ヘヤライン」、また「ケガキ(毛掻き)」とも呼ばれることもあります。

開成工業はプラスチックフィルム各種へのヘアライン加工を実施しており、SUS代替用の銘板や、ラベル用途・意匠性付与のための成型材料として使用されています。

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平行線透過率

フィルムに透過した全光線のうち、平行線のみの透過率を示します。

ヘイズ値

曇り度合のことで、透明性を示す指標です。通常は表面粗さが高い程ヘイズ値も高くなります。

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ま行
耳立ち

端面のスリット不良により、端面がソリかえった状態のことをいいます。面状検査のオシュレーションによって、耳立ちが目立たない様に巻き替えることが可能です。

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面状検査

フィルム表面に付着した異物の混入実態や、数やサイズ測定、展開マップ作成、除去等を行う加工のことです。開成工業では、フィルムの素材や異物の種類に応じて、透過方式、乱反射方式、正反射方式、2段スリット方式の中から最適な方式を提案致します。

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や行
有孔(微細穴あけ)加工

極微細な孔(穴)を、各種フィルムや金属箔など様々な基材に開ける技術です。当社の技術は、これまでの熱針やレーザー、擦過傷などでは対応できなかった、微細な孔(穴)を規則的に同一径を配列することが可能であり、バリ及びカエリ等の凹凸や孔の縁に発生する盛り上がりが少ない傾向にあります。通気性の向上や、意匠・デザイン、また粘着加工品のセパレーターなど様々な機能に使用されています。

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ら行
乱反射方式

面状検査における加工方式のタイプです。遮光フィルムの全体的に光を散乱させることにより、欠点の濃淡が浮上して検出される方式です。検出できる欠点は、異物(有色・フィッシュアイ)、スジ(陰影ができるレベル)、汚れ(濃い有色)となります。

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レザーカット

スリット加工における加工方法です。シャーカットとは異なり鋭利な上刃のみを使用する断裁方法です。
薄手のウェブのスリットに有効な方法です。

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60度光沢値(%)

フィルムの表面に対し60度の角度から入射した光が、同じ角度で反射(「正反射」)した際の尺度を測ったものです。また、入射角60度の光が色々な方向に反射した光(「拡散光」)の強さを示す指標でもあります。正反射光が強い場合は、フィルムの表面はつやつやとしており光沢値も高くなります。逆に散乱光が強い場合は、フィルムの表面はざらざらしており、光沢値は低くなります。開成工業のサンドマットフィルムは、マット系フィルムの中でも特に低い光沢値を有しており、最も低いタイプA(濃い打ち)は、実測値5.4%となっております。クリアー(マット加工をしていない)フィルムの実績値は152.7%ですので、いかに光沢値が違うのかお分かり頂けると思います。

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